『ヵ サ ┐″ 勺』(MiU×安達充)

 12月3日(土)に開催されたアーティストフォーラム2016。

 1stステージの2人目に出演した、シンガーソングライターMiUさん。

 その前に登壇した、アスリート系炎のシンガー田中愼一郎さんの
 「赤色のステージ」から一転、「青色のステージ」を展開してくれました。
 

 彼女の曲のテーマは、

 「忘れたくないけど、忘れてしまったこと」

 「忘れたいのに、忘れられないこと」

 きっと誰にも、そんなことがあるのではないかと思います。

 
 彼女にとってそれは、お父さん、でした。

 すでにこの世を去ってしまったお父さん。

 彼女には、お父さんとの想い出を「なかったこと」にしてしまった時期が
 あり、それに対する“後悔の念”がありました。

 
 家の中で、あまり心の休まる場所がなかったこと。

 それに加えて、中学1年生の頃に、学校で仲間外れにされたこと。

 いろいろなことが重なって、彼女は自分の居場所を失ってしまいます。

 
 心のバランスを崩し、自分の部屋に引きこもってしまったときに
 感じたのは、「生まれ直したい!」という気持ちだったそうです。

 その想いは、「父親から生まれたこと」を否定する気持ちとなり、

 最終的には、「父親の存在自体」を否定する想いになっていきました。

 
 本当は、お父さんなりの愛情があった。

 でも、それにフタをして、目を向けられなかった。

 そんな過去について開示したあと、彼女はしっかりと、こう語りました。

 
 「でも、私にとって、宇宙でたった一人の父親なんです」

 最近になってやっと、そう思えるようになったこと。

 そうしたら、この家族で幸せになれなかったことを“悲しい”と
 感じるようになったこと。

 “後悔”や“悲しみ”の裏に、自分が受け取ってきたあたたかいものが
 あったことに、彼女は気づいていったのでした。

 
 「父が分け与えてくれた耳や、声や、心がなかったら、
 私は今ここにいない」

 「怒りや、悲しみ、痛み、そういうものに意識を向けてばかりいて、
 その下にある色々な喜び、幸せ、あたたかいものがあったのを
 忘れてしまってました」

 「大切なことにまで、フタをしてしまっていたんです」

 
 そんな風に語った彼女にとってのお父さんは、まさに

 「忘れたくないけど、忘れてしまったこと」であり、

 「忘れたいのに、忘れられないこと」だったと思います。

 
 彼女はそれを、誰もが経験したことのある“あるもの”をモチーフに
 歌詞を綴りました。

 タイトルは、『ヵ サ ┐″ 勺』。

 あえて「カサブタ」という普通の表記とは違えていることも、
 彼女からのメッセージとして受け取ってもらえたらと思います。

 
 こちらで楽曲を視聴いただけます。

▼『ヵ サ ┐″ 勺』(MiU×安達充)
 https://youtu.be/-cQr-WhM0i0

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            ~ ヵ サ ┐″ 勺 ~

               作詞/MiU 作曲/安達充

 キミはもうどこにもいない者?
 照らす陽射し 澄んだ空
 ボクの目には白と黒

 今日も胸のここんところ
 聞こえない音が響いて
 剥がれ落ちぬ痛みがくすぐってる
 掻きむしって 頬を濡らしても
 指先が記憶の輪郭さぐる

 まだちょっとだけ あとちょっとだけ
 このまんまがいい ズキズキしても
 キミの存在 たしかめられるなら

 大嫌いになれる日があったくらい大好きで
 くり返し遠く遠くまで
 叫ばすにはいられないよ
 帰る声は聞こえなくても
 まださよならじゃないから

 
 昔だれかが言っていた「星になって見守ってるの」
 黙ってうなずけるほど子どもじゃない
 屋上かけあがって手を伸ばす
 大人になれず願ってる

 キミが知らない夏を何度も数えた
 積もる落ち葉 ふきぬける木枯らし
 なぜかボクにはあたたかい

 
 写真や手紙・プレゼント
 形あるものはなくたって
 しゃべり方や笑い方・怒る顔
 気づけばボクの中に住みついていた
 消えることは失くすことじゃないんだね

 屋上よりも 記憶よりも
 近いところで ニコニコしてた
 キミのことを 見つけだしたから

 大嫌いになれる日があったくらい大好きで
 くり返し遠く遠くまで
 叫ばすにはいられなかったよ
 帰る声は聞こえないけど
 もうさよならはないから

 ポロポロって いつのまに剥がれ落ちる頃
 キミが遺したものに ボクの背中がおされてる

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