手紙4「全然指揮が出来ていないじゃない!そんなんじゃ皆歌えないよ!」(安達充)

9月1日(土)のアーティストフォーラム2018まであと少し。

ライブ当日まで、「なぜ自分がアーティストフォーラムをやるのか?」ということについて、

たった一人に向けての手紙形式で綴っていきたいと思います。


 

来年、定年を迎えられるということをお聞きしました。

改めてOB会でお会いできることと思いますが、一足先に手紙でお礼を伝えさせてください。

振り返ってみれば、やはりあなたは僕にとっての「恩師」だと思っています。

 

一番、思い出すシーンは、高校2年生の時の文化祭です。

合唱部の学指揮(学生指揮者)として、練習をすべて任されて、喜々として部活に通っていました。

そして本番1日目が終わり、2日目の朝練習の時に、あなたは厳しい口調で言ってくれましたよね。

 

「安達。何やっているの?全然指揮が出来ていないじゃない!そんなんじゃ皆歌えないよ!」

皆をリードするはずの指揮者が、本番前にメンバーの前で説教されるという事件。

これといった挫折もなく高校生まで来ていた僕にとって、人生ではじめての挫折でした。

 

そこから自分自身と向き合うようになり、「自分は今まで適当に生きてきて、ちゃんと身に着けたものが一つもない」と大きく落ち込みました。

「なんて空っぽな人間なんだ」という絶望から、「何か一つでいいから『自分はこれをやった!』と誇れるものを持ちたい」ということでボイストレーニングに打ち込みました。

そのボイストレーニングも、一番最初のきっかけをくれたのはあなたでしたね。

 

当時、指揮をやりたかった理由は、ただ「カッコイイから」でした。

でも、あの時の経験から指揮者というのはものすごく責任が重くて、大変な役割だということを強く知りました。

皆の前で指揮を振ることが怖い、という感情も何度も経験しました。

 

でも、面白いもので、今はアーティストフォーラムというイベントで、「虹色の指揮者」という役割を自分に課しています。

人生で一番最初に挫折感を味わった指揮を、今ふたたび自分の中心に据えているという不思議さ。

だけど、今このタイミングで「指揮者」役をやるために、過去の経験があったのかもしれないと感じています。

 

それから、あなたが定期演奏会の時に毎回口にされていた言葉、よくライブでも話したりしているんです。

「音楽は時間の中にしか存在しえない芸術です。だから今日このメンバーで歌えるのはこの1回しかありません」

あなたと同じ音楽の指導者という道を選び、指揮者となった今、あなたが毎回この言葉を口にしていた意味を噛みしめています。

 

ジャンルは全然違いますが、指揮者として目指すモデルはあなただと思っています。

定年を迎えられると聞けば、過去10年以上のOBたちが連絡を共有して、またあなたに会いたいと集まるのは、あなたの人柄に他ならないと思います。

あなたの音楽を受け継ぐ者の一人として、僕はアーティストフォーラムで、僕の指揮をしていきたいと思います。

#アーティストフォーラムまであと47日

 

アーティストフォーラム2018、9月1日(土)大田文化の森ホールにて開催決定!
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アーティストフォーラムとは?(初めての方へ)

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