手紙5「みんなも気づいたと思いますが、歌詞を間違えちゃった人がいたんですよね」(安達充)

9月1日(土)のアーティストフォーラム2018まであと少し。

ライブ当日まで、「なぜ自分がアーティストフォーラムをやるのか?」ということについて、

たった一人に向けての手紙形式で綴っていきたいと思います。


 

中学校を卒業してからもう一切お会いしていませんが、お元気でいらっしゃいますか?

その後僕らのよく知る方とご結婚されたとのこと、お聞きしました。

僕らから見てもお似合いのお二人だったので、その知らせを聞いたときは「おぉ~!」となんだか嬉しくなったことを覚えています。

 

あなたとの想い出は、たくさんあります。

僕が作った3年3組の曲を、あなたの裁量で、音楽の時間にクラス全員で合唱させてもらったこともありましたね。

ある意味、自分で作った曲が合唱されたのは、あれが初めての経験だったと思っています。

 

でも、一番忘れられないのは、中学1年生の時の合唱祭です。

課題曲が『マイバラード』、自由曲が『時の旅人』。

僕のいた1年6組も、最優秀賞をとるために、がんばって練習していました。

 

中学生の合唱は、一生懸命歌う子がほんの数人いるだけで、クラス全体が引っ張られていきます。
 
だから、自分がその牽引役になりたい、みたいな想いがあったのだと思います。
 
すごい結束の強いクラスだったので、「最優秀賞も狙える!」という前評判でした。

  

そして本番、あの事件が起きました。

課題曲の『マイバラード』で、僕がものすごい大声で歌詞を間違えるという、大失敗。

学年中に自分の失敗が知れ渡ってしまったと思うと、恥ずかしくてたまりませんでした。

 

「皆を引っ張るどころか、足を引っ張ってしまった」
 
「小声で間違えるならまだしも、わざわざ大声で目立ちながら間違えるなんて」
 
「あぁ、もう1回今日をやりなおしたい」そんな気持ちでいっぱいでした。

 

そして、結果発表。
 
あなたが、順位の発表と共に、入賞したクラスの講評をする時間になりました。
 
「優良賞(第3位)は、1年6組です!」との声に、本当に驚きました。

 

あなたは講評で、こう続けてくれました。
 
「みんなも気づいたと思いますが、6組は、歌詞を間違えちゃった人がいたんですよね。
 
でも、終わった後に舞台袖で一つドラマがありました。
 
その子の背中を何人ものクラスメイトが“ドンマイ!”ってたたいて励ましているのが、先生の席からよく見えたんです。

 

先生はその姿に、本当に心打たれました。
 
それは、6組のみんなが一生懸命団結して歌っていた何よりの証拠だから。
 
そのことも含めて、がんばった1年6組が今年の優良賞です」

 

今思い出してもグッとくるくらい、うれしかったです。

あなたの一言は、僕の失敗を帳消しにするどころか、あの事件を誇らしい体験に変えてくれました。

あれがなかったら音楽のことを嫌いになっていたかもしれないと思うと、僕の可能性を救ってくれた一言だったと思っています。

 

音楽は、正しい演奏を素晴らしい技術でやらなくてもいい。

もっと自由に表現して、たとえ失敗したとしても、それでも人を感動させる力がある。

今僕が、「初心者と一緒にステージに立っている」ことの原点を作ってくれたあなたに、心から感謝しています。

 

最後に、僕の作った『僕が生まれた時のこと』と『世界で一番素敵な言葉』という2曲が、全国の中学校でも合唱されているんです。

アーティストフォーラムでも、この2曲だけは毎年合唱するようにしています。

あなたから教わった“技術ではない合唱の素晴らしさ”、これからも伝えていきたいと思います。

#アーティストフォーラムまであと45日

アーティストフォーラム2018、9月1日(土)大田文化の森ホールにて開催決定!
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アーティストフォーラムとは?(初めての方へ)

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