ライブレポート③~2人目 中島 直子さん(テーマカラー・黄色)~

2人目 中島 直子さん(テーマカラー・黄色)

次に登場したのは、淡い黄色のワンピースを着、髪に黄色い花束の飾りをつけた女性、中島さんです。

中島さんが最初に歌ったのは、Coccoの『ポロメリア』

私は初めて聞いた曲でしたが、心地よい世界観の曲でした。中島さんは、その曲を、ときどき目をつむり、自分の内側に入り込むようにして歌っていました。

一人目の増田さんは「舞台に立つのが初めて」と言われていましたが(毎年、トップバッターは、舞台に初めて立つ人と決まっているとのこと)、きっと中島さんは舞台慣れした人なんだろうな、と思いました。

観客のたくさんいる舞台を楽しんでいるというより、自分が曲と一体化する心地よさを味わっているような姿がプロっぽく、印象的だったからです。

でも、そのあと安達さんとのトークで、彼女もまた舞台に立つのが初めてで
「人前に立つのは苦手で、今回の挑戦にはとても勇気が必要だった」
ということが明かされます。

そのあと、
若い頃は人の目が気になり、ずっと生きづらさを抱えていたこと、
知らない人がたくさんいる場にいくとあとでぐったりするほど疲れてしまうこと、
など、中島さんは静かに話しました。

でも、それまでの生きづらさは、「自分の思考が作っている世界」のせいだということが、当時受けた研修で分かってきたそうです。

自分が外の世界を怖いと思っているから、実際に外の世界は怖いものになってしまうのだ、と。

そんな気づきや、旦那さん(当時は仕事の上司)からの「もっと客観的に自分を見たほうがいいよ」というアドバイス、新しい世界への誘いなどもあり、少しずつ自分の変化を感じ始めたとのこと。

そして、
「心に制限があって自分がやりたいことに踏み出せない人にエールを送りたい。
そのために、まずは自分が舞台に立とう」
と思い、勇気を出して、アーティストフォーラムにエントリーしたという話でした。

中島さんが話していた
「本当にやりたいことをやったら、その気持ちは空気に溶け出し、地球の裏側にまで伝わると私は信じている」
という言葉が印象的でした。

短い言葉だったので、中島さんの真意を捉えられたかは分かりませんが、誰かの小さな「しあわせ」という感情が、淡い黄色のエネルギーになり、ふわりふわりと周りに漂い始め、世界に広がっていくようなイメージが浮かびました。

そして中島さんが人生のテーマソングとして歌った『たんぽぽ』というのも、まさにその黄色のイメージが広がる曲でした。

また目をつむり、自分の心の奥と対話するかのように歌う中島さんの姿は素敵でした。

きっと中島さんは、内に内に深く掘り下げていくことで、勝手に外とつながるタイプの人で、だから無理に外に意識を向けて人と接しようとすると疲れてしまうんじゃないかな、などと勝手に考えながら、曲を味わいました。

「アーティスト」とか「表現」とか「舞台に立つ」というと、社交的な人が、外に向けてエネルギーを放射するイメージが強いですが、中島さんのような人が内側で静かに灯す光を見つめるような舞台というのもいいな、と思いながら見ました。

これから、こういうタイプの人にももっと積極的に舞台に立ってほしいな、とも。

続く

文:遊部香さん
写真:真島由佳里さん

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