ライブレポート④~3人目 榎本 貴子さん(テーマカラー・赤)~

3人目 榎本 貴子さん(テーマカラー・赤)

次に現れたのは、鮮やかな赤いドレスを着た女性・榎本さんです。

スタイルもいいし、美しいし、歌も上手く、歌いながら、客席にしっかり視線を送ったり、歌の最後に「安達さんに拍手を」というような仕草まで見せる余裕!

今までの2人とはまた違う、いわゆる「プロっぽい」舞台でした。

最初に歌った曲は、さだまさしの『いのちの理由』

「私が生まれてきた訳は
父と母に出会うため」
という出だしから、心をつかまれる歌詞。

そのあと、
「私が生まれてきた訳は
何処かの誰かを傷つけて
私が生まれてきた訳は
何処かの誰かに傷ついて
私が生まれてきた訳は
何処かの誰かに救われて
私が生まれてきた訳は
何処かの誰かを救うため」
と、世界観はどんどん深くなっていきます。

その強いメッセージのある曲を、榎本さんは完璧に歌い、客席に届けていました。

そんな、「自信満々」「完璧」に見える榎本さんでしたが、その人生は波乱万丈で、たくさん苦しい想いをしていたことが語られます。

18歳の頃に事故で頭蓋骨を骨折したこと、
若い頃は、世界全員が敵のように思え、戦いながら生きてきたこと、
結婚して子供を産んでも、夫とコミュニケーションがうまくとれず、孤立していたこと、
10年くらい、毎晩夜寝ると、もう死ぬのではないかというくらいうなされたこと……

「私は何度も死んだようなものだった」と、榎本さんは語ります。

でも、今仕事にしている「楽読」と出会うことで、人生が変わったそうです。

脳のチューニングができ、五感が戻ってきて、
「普通に生活できるようになり、その普通の生活をしあわせだと感じて生きられるようになった」
と。

人生のテーマソングには、そんな今までの人生がぎゅっと詰め込まれていました。

タイトルは『不死鳥』
そして曲が伝えるのは、「死んだって、生き還ればいい。私は死ななない」という力強いメッセージ。

赤というカラーにふさわしい、熱く、心に響く舞台でした。

アーティストフォーラムを安達さんは「音楽を聴くのではなく、人生を聴くイベント」と言われていましたが、私は「7つのミュージカルを体験するイベント」のように感じます。

今までの人生の語り・テーマソング・その人自身の存在……それが30分の作品を作り上げているな、と。

榎本さんの語りのなかでは、もう一つ、心に残るフレーズがありました。

「人には色々言われてきたけれど、ふざけて生きてきたことなんて一度もなくて、いつだって最大限の選択をしてきた。きっとみんな同じ」

この言葉だけで、榎本さんがまっすぐ人生に向き合い、だからこそたくさん傷ついて、苦しんできたのだということが伝わってきて、ぐっと来ました。

人生を語るときに、人から出る言葉には、名言も多いですね。

続く

次は、ライブレポート⑤~合唱~

文:遊部香さん
写真:真島由佳里さん

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