ライブレポート⑧~5人目 山口 まち子さん(テーマカラー・藍)~

5人目 山口 まち子さん(テーマカラー・藍)

次に登場したのは、藍色のワンピースを着た小柄な女性・山口さんです。

山口さんは、小学校の頃に耳が聞こえない人の存在を知り、高校生から手話を勉強し始め、手話通訳士としても活動されている「手話」のスペシャリストです。

第二部の手話通訳には、男性の手話通訳士が2人ついていましたが、歌の部分の手話は、すべて山口さんがつけていました。

そんなふうに、山口さんは、「パフォーマンス」の手話を専門にされている方なのだそうです。

吉田さん、磯部さんの歌のときに通訳をつけていたのに気づいてはいましたが、山口さんの舞台になり、舞台の真ん中でその手話をみて、ものすごく惹きつけられました。

山口さんは、歌いながら、踊りながら、手話をしているのですが、手話が振り付けの一部のように自然で、全然堅苦しいものではなくて、「アートな表現」なのです。

手話の概念を覆される、素晴らしい舞台でした。

そんな山口さんが最初に歌ったのは『あお』という曲。
ドキュメンタリー映画『みつばち』の挿入歌、とのこと。

聞いたことのない曲でしたが、とてもきれいで優しい曲で、山口さんのされる「星」「あお」「地球」の手話が歌に溶け込み、印象的でした。

山口さんの人生のテーマソングも、「平和」を祈り、「地球を愛して」「あなたを愛して」と優しく歌う曲でした。

山口さんはこの曲を「自分の人生のテーマソング」を作るというより、「手話にして、勝手に自由に広めてもらえる曲を作りたい」という想いで作ったそうです。

もはや「我」が消えた、広がりのある曲でした。

山口さんは手話をしながら歌うとき(自身の曲のときだけなく、舞台の隅の方で、他の人の曲を通訳しているときも)、常に笑顔で、心から満ち足りていますという佇まいで、それがとても素敵で、印象的でした。

人の個性も、歌声も、歌いたいことも千差万別なら、「舞台に立つ理由」もみんな違って、それがまたいいんだな、と感じた舞台でした。

山口さんの舞台の後、安達さんが言われた言葉も印象的でした。

「アーティストは使えるものは何でも使って表現する。

ミュージシャンは音楽家だから、音楽で表現するけれど、アーティストは何を使ってもいい。手段は一つだけでなくてもいい」

本当にそうですね。

続く

文:遊部香さん
写真:真島由佳里さん

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