ライブレポート⑨~6人目 白峰 優梨子さん(テーマカラー・紫)~

6人目 白峰 優梨子さん(テーマカラー・紫)

最後は紫色のロングワンピースに薄青緑のショールをはおった背の高い女性・白峰さんです。

子供の頃、ハーフだと間違えられるのが嫌だったとスライドで紹介されていましたが、言われないと、ハーフにしか見えないし、不思議な雰囲気を醸し出している女性でした。

でも、不思議な雰囲気なのは、白峰さんが元々「舞台女優」であり、今も演技指導をしている先生だからなのかもしれません。

上手く表現できないのですが、最初に披露された曲が「リトル・ツリー」という絵本を元に作った曲だということもあってなのか、白峰さん自身が「森の精」のように見えました。

すでに舞台に立つことを教えている立場の人が、今回アーティストフォーラムの舞台に立ったのは

「私はずっと役として歌ってきた。

だから歌の先生から『もっと自分として歌って』と言われたとき、自分として歌うというのが分からなかった。

今回、そのヒントがこの舞台にあると思って、出ることにした」

という理由からだったそう。

でもそのあとで、白峰さんが抱えてきた大きな問題が告白されます。

「実は、『僕が生まれた時のこと』を歌おうとしたとき、歌えない自分に気づいた。

様々な出来事が重なり、1週間声が出なくなり、筆談状態になった。

そして自分と向き合った。

私は母親に愛された実感がなかった。

子供の頃、母親から褒められた記憶がひとつもない。嫌なことがあったと話しても、『それはあんたのせいじゃないの?』と言われるだけだった。

でも、風邪を引いたときだけは、母は漫画を買ってくれたり、優しくしてくれた。

だから、私は、愛を確認する為に頻繁に風邪を引く子だった。

2015年に母が亡くなった後、ある人から、母親は共感能力の欠如という脳に障害を持って生まれたと聞いた。

そうだったのか、と納得した。

今回改めて母親との関係をもう一度しっかりと見つめなおした。

そうしたら、共感能力がないにも関わらず、物理的に困らないように自分に色々なことをしてくれたのだ、と、『してくれたこと』がたくさん思い浮かんだ。
母は心で寄り添う事は出来なかったけど、母にしかできないやり方で私を精一杯愛してくれていた。

そんな告白のあとに歌われた曲は、『オーロラからのギフト』

「魂のうた 耳をすませば
あなたにも聞こえる 安らぐ響きが
魂のうた 心開けば
あなたにも感じる 素直で自由な声が」

色々な感情の荒波を乗り越えたあとの、静かな世界が感じられるような、透明感あふれる曲でした。

続く

文:遊部香さん
写真:真島由佳里さん

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